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ブログ
6.42018
相続税の誤った認識
こんにちは!
京都、宇治市のきさくな税理士の平山です。
今年も早いもので6月に入り、蒸し暑い季節がやってこようとしています。
また、今年も半年近くが経過しようとしており、年々月日の流れるスピードが早くなってきているような気がします^^;
さて、本日のテーマは『相続税の誤った認識』です。
相続税の申告や納税で多くの方が誤解されていることがあります。
本日はそんな事例を何回かに分けてご紹介したいと思います。
Q.父が亡くなって財産を1,000万円相続したけど相続税はかかるの?相続税がかかるのか否かは、取得した財産ごとに計算されるのではなく、被相続人(亡くなった方)の財産がいくらあったかで判定されます。 亡くなった方の財産が『一定額』を超えていれば、超えた部分について相続税(総額)がかかります。 次に相続税(総額)を、取得した財産の金額の大小に応じて配分していく流れとなります。 従って、亡くなった方の財産がいくらあったのか、 また、その財産は『一定額』を超えているかを判別することは、相続税申告の第一歩となります。 次に『一定額』ですが、家族構成等で変動しますが、次のとおり計算します。 3,000万円+600万円×相続人の数 平成27年の税制改正を受けて、一躍有名な算式となりましたので、ご存知の方も多いと思います。 家族構成がたとえば、妻と子2人の場合は、 3,000万円+600万円×3人(妻・子2人)=4,800万円となります。 つまり、夫の所有財産が4,800万円を超えていれば相続税の申告と納税をしなければなりません。 逆に4,800万円以下であれば、相続税の申告と納税は必要ありません。 仮に、亡くなった夫に5,000万円の財産があったとしましょう。 この場合、4,800万円を超えた200万円(5,000万円-4,800万円)が、相続税の課税される金額となります。 200万円に対する相続税(総額)は、20万円となります。 そして、この20万円の相続税(総額)を、取得した財産の大小に応じて配分計算します。 たとえば、妻が全て財産を相続して、子2人の財産はなしであった場合、 20万円の相続税は妻が負担し、子2人は取得した財産がないため、相続税は0円となります。(配偶者の特例は考慮していません) 妻が3,000万円、子2人がそれぞれ1,000万円ずつ相続した場合は、次のとおり相続税(総額)の配分計算をします。 妻:200万円×3,000万円÷5,000万円=120万円 子:200万円×1,000万円÷5,000万円=40万円 このように、取得した財産の範囲内での相続税負担となりますので、理論上は税金を支払えるという計算構造になっています。 しかし、財産と言っても現金や銀行預金ばかりではありません。 なかには僻地の不動産など、現金化しにくい財産があるケースもあります。 このような場合、相続税の納税資金に困ることもあります。 さて、最初の質問に戻りますが、 「1,000万円相続したけど相続税はかかるの?」でしたが、以上の説明より、前提が不足しているのがわかりますね。 父の財産が×××円あったうちの、1,000万円相続したけど・・・ という質問が正解となります。 繰り返しますが、相続税の計算は、『亡くなった方の財産がいくらあったか』がポイントです。 本日はこのあたりで。