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6.292018
相続税の誤った認識 ~小規模宅地の特例~
こんにちは!
京都、宇治市のきさくな税理士のひらやまです。
今週初め頃から一気に蒸し暑さを感じるようになり、夜も寝苦しくなってきました。
暑さが苦手なわたしは、既にエアコン全開です。。。
急な気温の変動で風邪も流行しているようです。
体調には十分気を付けてくださいね。
さて、本日は相続税の誤った認識シリーズで、『小規模宅地の特例』について説明します。
父から自宅を相続したのですが、相続税の計算で受けられる特例はありませんか? わたしは賃貸マンションに住んでおり、持ち家はありません。相続税の計算において、大きく納税額を減らせる特例として、『小規模宅地の特例」というものがあります。 この特例は不動産に対する特例で、 簡単に言いますと、要件を満たせばその不動産の評価がなんと「8割引き!」となります。 (相続税が8割引きになるのではありません) 不動産の評価が8割引きともなれば、相続税も大きく下がります。 そんな誰しもが受けたい特例ですが、要件を簡単に列挙すると次のとおりです。
(1)亡くなった方が住んでいた家を配偶者が相続で取得した場合 (2)亡くなった方と同居していた親族が取得した場合 (3)亡くなった方が一人暮らしで、その不動産を取得した親族に持ち家がない場合要件についてはおおよそ分かって頂けると思いますが、 実際の要件はもっと複雑です。 細かい要件を満たしておらず、あとから税務調査で追徴ともなれば、罰金とあわせてとてつもない納税額となる場合もありますので、税理士等の専門家に必ず相談しましょう! さて、今回の質問では、上記の(3)の要件に該当します。 (3)の要件について付け加えると、亡くなった方に配偶者又は同居していた親族がいない場合、かつ、その不動産を相続した親族(配偶者含む)が、相続開始前3年以内に持ち家に住んだことがない場合となります。 従って、亡くなった父に配偶者や同居していた親族がいなくて、「わたし」と「わたしの配偶者」の持ち家が過去3年間なければ『小規模宅地の特例』を受けられます。 ただし、申告期限(亡くなってから10ケ月)まで所有していなければいけないという要件もあります。 ところで、この通称「家なき子特例」について、平成30年度の税制改正により要件が厳しくなり、下記が追加されています。
(1)家屋の所有者を別居親族の三親等内の親族又はその別居親族と特別の関係がある法人まで拡大 (2)別居親族が取得する家屋を過去一度も所有したことがない特に、(2)については、この制度を使いたいがために、たとえば3年以上前に息子に贈与しておいて・・・ ということも行われていたケースがあります。 そこにメスが入ったわけですね。 今回ご紹介した『小規模宅地の特例』は大きな節税を見込める特例です。 本特例の要件を満たすよう、生前からしっかりとした対策をしていきたいところですね。