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11.242020
新型コロナによる固定資産税・償却資産税の軽減について
こんにちは!
京都、宇治市のきさくな税理士のひらやまです。
はやいものであと一週間で11月も終わり、今年も残すところ一か月となりそうです。
そして朝・夜とだいぶ冷え込んできました。
コロナも第三波が到来しており、日に日に感染者数が増加し目が離せない状況になっています。
さて、本日はそんなコロナの影響を受け、売上に甚大な影響を及ぼしている事業者様への特例措置をお知らせさせて頂きます。
具体的には令和3年度の固定資産税が全額免除、または半分になるという制度です。
上の表のとおり、連続する3ケ月間の事業収入で判定を行います。
持続化給付金や家賃支援給付金のように、任意の一か月で判定を行う要件はありませんのでご注意ください。
本特例の事業収入は、『経常的な収入』を意味しており、たとえば本業売上の他に家賃収入があり、営業外収益として経理している場合については事業収入に含める必要があります。
一方、持続化給付金など、『臨時的な収入』については『経常的な収入』に該当しないため、事業収入に含める必要はありません。
固定資産税・償却資産税の軽減の概要
新型コロナウイルスの影響を受けている中⼩企業・⼩規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する建物や設備の2021年度の固定資産税及び都市計画税を、事業収⼊の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2とする特例で、土地は軽減の対象とはなりません。 詳細をみていきましょう。中小企業・小規模事業者とは?!
資本金の額が1億円以下の法人、資本又は出資を有しない法人については、従業員数が1,000人以下の個人事業主・法人が本特例の対象となります。 また、大企業の子会社等についても本特例の対象にはならないためご注意ください。 一方で、持続化給付金などでは適用がなかった宗教法人や一般社団法人などは、要件を満たせば固定資産税の軽減の特例を受けることが可能です。事業収入要件
2020年2月から10月までの任意の連続する3ケ月間の事業収入が、前年同月と比較したときの減少幅に応じて固定資産税の軽減額がかわります。2020年2⽉〜10⽉までの任意の連続する3ヶ⽉間の事業収⼊の対前年同期⽐減少率 | 軽減率 |
50%以上減少 | 全額 |
30%以上50%未満 | 2分の1 |
2020年創業の場合も固定資産税の軽減の特例の適用があるのか?
ご承知のとおり、持続化給付金や家賃支援給付金については、2020年創業特例なるものが存在していますが、固定資産税の軽減の特例については現在のところ、2020年創業者に対する特例はありません。固定資産税・償却資産税の軽減の申告までの流れ
(中小企業庁HPより抜粋) 上の図をご覧の通り、ほっといても固定資産税等が軽減されるわけではありません。 固定資産税等を課税する市町村に対して申告を行ってはじめて固定資産税等が軽減されることがおわかりになられるかと思います。 順にみていきましょう。『①確認依頼』について
申告するまでに認定経営革新等支援機関等に次の事項を確認してもらう必要があります。 1.中小企業・小規模事業者であること等(性風俗関連特殊営業を行っていないことも含む)の確認 2.事業収入の減少要件の確認 3.事業割合の確認(個人事業主の家事関連費など)認定経営革新等支援機関とは、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関をいいます。 具体的には、商工会や商工会議所などのほか、金融機関、税理士が主な認定支援機関です。 ひらやま税理士事務所ももちろん認定経営革新等支援機関ですのでぜひご相談ください。
『②申告書発行』
『①確認依頼』時に認定経営革新等支援機関等に申告書の記載を依頼するわけですが、その申告書の様式が市町村によって異なるようです。 わたしの居住地の宇治市役所の様式は中小企業庁に掲載されている様式に準じた様式となっていました。 様式が市町村によって変わるといっても、大きくは変わらないものと思います。 ご参考まで宇治市役所の様式は次のとおりとなっています。 なお、申告書様式は各市町村のホームページからダウンロードできます。『③軽減申告』
上記の申告書を添付して固定資産税等の軽減のための申告を市町村へ行います。 なお、償却資産税の軽減のための申告では、上の「(別紙)特例対象資産一覧」についてのみ作成する必要はないとのことのようです。 つまり、「(別紙)特例対象資産一覧」は事業用家屋など償却資産税の対象ではない固定資産税の軽減についてのみ作成する必要があるということですね。申告時に添付しなければならない書類
申告時には基本的に認定経営革新等支援機関等に提出した書類を添付することとなります。1.新型コロナウイルス感染症等に係る中小事業者等の事業用家屋及び償却資産に対する固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置に関する申告書(認定経営革新等支援機関等で確認済のもの) ※上図参照 2.特例対象資産一覧及び事業用割合を示す書類(青色申告決算書の写し等) ※上図参照 3.事業収入の減少を証する書類(会計帳簿や青色申告決算書の写し等) 4.償却資産申告書及び種類別明細書★なお、宇治市への償却資産税の申告は、令和3年度より基本的に京都地方税機構へ申告することとなりますが、本特例の軽減申告をする場合については宇治市役所へ申告する必要がありますのでご注意ください。