こんにちは!
京都、宇治市の
きさくな税理士のひらやまです。
連日確定申告シーズン到来を受けて、お役立ち情報をお伝えしております。
本日のテーマは、近年ポツポツと出てきた、
『ラップ口座(投資一任契約)の申告』です。
ラップ口座とは?
そもそも、ラップ口座とはなんぞや?
ですが、別名「投資一任契約」と呼ばれており、顧客と証券会社で投資の一任契約を行い、証券会社は顧客の契約資産で上場株式等を運用します。
顧客は、証券会社に「固定報酬」と「成功報酬」を支払う流れになっています。
「固定報酬」は、契約資産を基準として、最初に支払うもので、中途解約があった場合は、契約期間の残年数に応じて返還される仕組みになっています。
また、「成功報酬」は、証券会社が上場株式等を運用して儲けた部分に、一定率が乗じられ、証券会社へ支払われるものです。
つまり、投資の運用をいっさいがっさい証券会社へ委託するための専用口座となります。
ラップ口座の所得区分は?
次にこのラップ口座ですが、所得は何の所得で申告すればよいのでしょうか。
ご存知の通り、所得税の確定申告では、種類に応じて10種類の所得区分が設けられていて、それぞれに分類して所得税の計算を行うこととなっています。
このラップ口座に係る成果は顧客に帰属することとなりますので、それが株式等の譲渡によるものである場合には、株式等の譲渡による
事業所得、
雑所得又は
譲渡所得のいずれかの所得として
分離課税の対象となりますが、これらの所得のいずれに該当するかは、株式等の譲渡が
営利を目的として継続的に行われているかどうかにより判定することとなっています。
上場株式等の運用は
流動性が高いことから「営利・継続取引」される可能性が高いとして
事業所得又は
雑所得に区分されます。
しかし、上場株式等であっても、その株式等の所有期間が1年超にわたるものは、
譲渡所得に区分するものとされています。
一方、一般株式等は
流動性が低いとして
譲渡所得に区分されます。
したがって、投資一任契約が1年以下のもので、上場株式等を運用されているものであれば、
事業所得又は
雑所得となります。
ラップ口座における必要経費は?
「固定報酬」と「成功報酬」が生じることについては、既に述べたとおりです。
ではそれぞれの報酬について、12月31日をまたぐ場合の必要経費の計上時期をみていきましょう。
固定報酬
契約当初に支払われる固定報酬は、契約資産を基準として計算されますが、
契約解除の際は、残期間に相当する金額について返還することとなっていますので、
報酬額を期間按分して算出した金額のうち、当年の期間に対応する金額が必要経費となります。
成功報酬
成功報酬については、契約期間満了時に、運用の成果である儲けに対し一定の割合を乗じて計算するため、
成功報酬は、期間の満了時に金額が確定するものです。
なので、期間の中途における年末の時点においては、報酬は確定していないことから、契約期間が満了した年分の必要経費となります。
本日はこのあたりで。
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