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”新”事業承継税制2

こんにちは! 京都、宇治市のきさくな税理士のひらやまです。   前回の続きではありますが、本日も『事業承継税制』についてできるだけわかりやすく解説していきます。 前回の記事はこちら    

事業承継税制の創設と改正

  事業承継税制は、平成21年度の税制改正により創設されました。 前回の記事でもお知らせしていたとおり、事業承継税制の主目的は、次の代への事業の承継を円滑に行うことです。 税制面で見ると、大きくは同族株主=社長という構図が多い中小企業の中で、 社長が保有している会社の株式を次の代へ移転するのですが、その移転で税金が課せられることは、 円滑な事業承継の足かせにもなります。 よって、新たに創設された「事業承継税制」を使って、課税の側面から円滑な事業承継を期待しているところです。     さて、会社の株式の移転方法については、次の3つが考えられます。  
1.贈与 2.相続 3.売買
  しかし、いずれの移転方法を採用しても、課税はどこかに生じます。 贈与であれば、貰った方が贈与税課税、相続であれば相続税、売買であれば売った方が所得税。。。 というように、すべての移転方法に税金が課せられます。   『事業承継税制』は、上の贈与税と相続税に着目して、一定の要件を満たせば、贈与税又は相続税の納税猶予(課税の繰り延べ)を受けられます。 つまり、贈与税と相続税の税金がゼロで、株式の移転が行えます。 しかし、あくまでも税金の繰延べ制度ですので、要件を満たさなくなった場合は、利子税(罰金)をプラスして、税金の全額を納付しなければならなくなります。   平成21年税制改正により、この『事業承継税制』が創設されたのですが、 一定の要件のハードルが高く、平成26年までの年間平均件数は、173件となっていました。   国を挙げて事業承継に取り組んでいる中、このままではダメということもあってか、 平成27年には、一定の要件について緩和され、この年では、約456件と、大幅に適用件数が伸びることとなりました。 さらに、平成29年に一定の要件について、更なる緩和の改正があり、今後、『事業承継税制』の適用件数はさらに伸びるものと推測されています。    

要件が緩和された事業承継税制

  さて、『事業承継税制』が税制改正を繰り返して、一定の要件が緩和されていったことについては既に述べたとおりですが、 どのように改正されていったのか順に見て行きましょう。 ※すべて列挙すると膨大な量となるため、代表的な要件を挙げています。  

平成21年の創設時

(1)対象となる後継者は、経営者の相続人(親族)で、1人 (2)先代経営者は、会社の代表者であったこと。(先代経営者は役員の退任が必須) (3)経済産業大臣への事前の確認と認定 (4)5年間雇用を8割以上維持 (5)毎年1回、経済産業局と税務署への報告書の提出が必要 (6)発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分について、80%の相続税が納税猶予(全額ではない)  

平成25年の改正時

(1)対象となる後継者は、経営者の親族以外でも可能 (2)先代経営者は代表者でなければ、役員にとどまっていても可能 (3)経済産業大臣への事前確認は不要 (4)5年間雇用を平均8割以上維持  

平成29年の改正時

(1)5人以下会社の場合、従業員が1人減ってもOK たとえば、4人の会社の場合、1人従業員が減ると25%雇用割合が減少することとなり、8割以上が維持できなくなりますが、 5人以下会社の場合は、従業員が1人減っても適用可能となりました。 (2)贈与税において、事業承継税制と相続時精算課税制度との併用が可能  

平成30年の改正

(1)後継者は複数人への承継が可能(最大3人まで) (2)5年間、平均8割以上の雇用の維持を満たせなくなった場合でも、経営革新等支援機関の助言により、実績報告書を都道府県に提出して納税猶予の継続が可能 (3)納税猶予対象株式数が、発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分から取得した株式100%となり、相続税の納税猶予割合が80%から100%(贈与税は創設時から100%) (4)事業承継税制と相続時精算課税制度との併用について、後継者は親族以外の他人でも相続時精算課税制度が適用可 (5)納税猶予対象株式を売却したり、事業を廃業した場合、納税猶予は打ち切られ、本税に利子税をプラスして納税することとなっていましたが、改正により、売却や廃業時の株価を再計算して、事業承継時の株価で計算された納税額との差額を免除     このように、事業承継税制は税制改正を繰り返して随分使い勝手がよくはなりました。 しかし、本来はこの制度を使わずとも、早い段階から将来を見据えて事業承継の計画を立て、実行していくことが一番ですね。   本日はこのあたりで。

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